24.07.09
プロに教わる、韓国料理レシピ
韓国料理店「李南河 代官山店」
トウモロコシと枝豆のチヂミ
東京・代官山駅からほど近く、ビルの地下一階に店を構える「李南河 代官山店」は、贅沢な空間で、絶品韓国料理の数々に舌鼓を打つことができる韓国料理店。212 KITCHEN STOREのディレクター・福田春美さんが、そのおもてなしの心に惚れ込み、20年以上通い続けるお店でもあります。
「李南河 代官山店」は、1998年のオープン以来、多くのお客様に愛され続けています。コンセプトは“家庭に招かれたようなあたたかい店”。キムチやチヂミ、プルコギに焼肉、鍋物まで、韓国の伝統料理や家庭料理をアレンジして提供しています。地方の農家とも密に交流し、その日に採れたての食材を使用することも多々。自家製果実酒は、自然栽培農家から仕入れた果実を使用するなど、材料にもこだわります。
お話を伺ったのは、総料理長の西孝太さん。日々、一枚板が圧巻のシェフズカウンターに立ち、お客様の目の前で調理し、料理を提供しています。「メニューを決めていないので、その日に採れた食材や、お客様の好きなものを優先的に即興で調理します。めちゃくちゃ大変ですが(笑)、お客様が想像以上に喜んでくださるので、とてもやりがいがありますね」。
今回、紹介してくれたのは「トウモロコシと枝豆のチヂミ」。韓国家庭料理の定番である「チヂミ」を、家庭でも気負わずにトライできるアレンジで教えてくださいました。
チヂミはジョン(カットした食材を生地につけて焼いた料理)の一種で、釜山の方言なのだそう。「家庭にも、街の屋台にもよく並ぶ、韓国の文化のような定番料理です。日本のお好み焼きのようなイメージでしょうか。チヂミにもいろんな種類があって、野菜だけや海鮮たっぷりのものなど様々。「李南河 代官山店」では、メニューを毎月変えていて、少し前は桜えび、今はハモ、冬は牡蠣などを使用。今回のレシピは夏らしく、手軽にスーパーなどで買える夏野菜でアレンジしました」。
トウモロコシと枝豆のチヂミ
◎材料
◎材料
・トウモロコシ
・枝豆(あらかじめ茹でておく)
・ニラ
・唐辛子(お好みで)
・生地
・胡麻油
*具材はお好みの分量をご用意ください
生地(約5枚分)
・チヂミ粉 500g(市販の物で可)
・餅粉 50g
・味噌 20g(信州味噌)
・本だし(顆粒)8g
・アミエビ 15g(アミエビの塩辛)
無ければイカの塩辛で可
・水 850cc
◎作り方
1.トウモロコシ、枝豆(あらかじめ茹でておく)、ニラ、唐辛子に生地をまぜる。
2.フライパンに胡麻油をたっぷりと流し、中弱火で揚げ焼きするイメージで焼く。
3.様子を見ながら途中で生地を追加で回し入れ、追い胡麻油を入れる。
4.両面こんがりきつね色に焼き上げれば完成。
★作り方のコツ、ポイント
鉄のフライパンを使用。「チヂミは鉄のフライパンで、しっかり焼き目をつけて焼くのがポイントです。胡麻油はたっぷり1cmくらい入れて揚げ焼きにします。生地が胡麻油を吸って、それがおいしくなります。」
特製薬念醬(ヤンニョムジャン)
◎材料
*作りやすい分量
・長ネギ 1本
・濃口醬油 180cc
・粗唐辛子 5g
・粉唐辛子 10g
・おろしニンニク 20g
・白すりゴマ 35g
◎作り方
1.長ネギは機械でやると細かくなりすぎてしまうので手切りでみじん切りにする。
2.残りの材料を混ぜ合わせる
★作り方のコツ、ポイント
「風味の異なる2種類の唐辛子とシンプルな材料でつくる特製薬念醬。
にんにくはチューブでもOKですが、生のにんにくのすりおろしを使うとさらにおいしくなりますよ」
【アレンジ】
特製薬念醬(ヤンニョムジャン)は万能ソース。「刺身や焼き魚、蒸し鶏、ごはんやラーメンにも。なんならこれだけでも酒のアテになってしまうほど、やみつきのおいしさですよ。冷蔵庫で1か月程度は保存可能です」
今回使った道具はこちら
【Vitacraft スーパー鉄 フライパン 26cm】
西さん
「テフロン加工のフライパンは焦げ付かずに焼けますが、鉄だと、じっくりと火が入り滋味深く。こんがりした焼き色も、鉄ならでは。鉄のフライパンは、たくさん使ってどんどん油を馴染ませ、育てていくことでより使いやすくなります。使い込むと、よりしっかり馴染んでくるので、自分だけのフライパンに育ててみてくださいね」
韓国料理は気取らずに楽しんでほしい、と言う西さん。「鉄のフライパンは、使い始めは焦げやすいのですが、それも愛嬌。“もう一枚焼いてみよう!”と、和気あいあいと調理してもらいたいですね。チヂミは懐の深い料理。余った煮物を入れたっていいんです。各々好きな具材を持ち寄って、美味しく召し上がってください」
Photo:太田太朗
Interview / text:松本昇子
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西孝太(にし こうた)さん
韓国料理店「李南河 代官山店」料理長。2000年に李家へ入社。料理人であるオーナーの李南河に韓国料理のすべてを学ぶ。2015年より「李南河 代官山店」の料理長、2022年のリニューアルオープン後はシェフズカウンターに立ち、日々お客様へ韓国料理を提供し続けている。
http://liga-food.com/linamha_d/