どんな時にもちょうどよく、
暮らしになじんで心地いい。
デッサンのワードローブに込められたのは、
着る人の日常にそっと寄り添い、
余白を描くこと。
さらに今シーズンは
「最高の普通な日々」がテーマ。
ここでは、“何気ない日々が特別である”という
デッサンの想いを体現する、
素敵なあの人の暮らしを
訪ねてみました。
今回は、岡田憲一さんと岡田久仁江さんご家族です。
岡田 憲一さん インタラクションデザイナー
岡田 久仁江さん 空間デザイナー
岡田 英(はな)ちゃん 岡田 詩(うた)ちゃん 9歳
2014年にインタラクションアートとデザインのスタジオ
LENSを立ち上げた岡田憲一さんと久仁江さん。
美術館や博物館のインスタレーションをメインに、
独自の装置を用いて日常を違った視点で捉え直す体験を
研究・提案している。
互いを認め合うからこそ生まれる
新たな発見
憲一さんと久仁江さんの作品「ASTERIS」
2020年に自然の美しさが感じられる群馬県伊勢崎市に拠点を移し、双子のはなちゃん、うたちゃんと楽しい日々を過ごしている岡田憲一さんと久仁江さん。もともとユニットで活動をしていたが、2014年にLENSを設立。装置、空間、映像などを通じて、日常に紛れる「ふしぎ」や「おもしろさ」にピントを合わせながら、子どもも大人も夢中になれる体験を作り出している。
“2人で作るから楽しいもの”を自然とイメージしながら始まるものづくりでは、細かく意見を言い合うことはないという。
「イチから一緒に手がけてしまうと第三者の目線で見られなくなってしまうので、わざと客観的に見てもらうことが大切。ふわっと言われたことを飲み込み、擦り合わせて行くと面白い発見に繋がることがあるんです」と、憲一さん。
それは子育てにも通じており、冒険をさせたい憲一さんと、心配性な久仁江さんとで違った考え方を持ちながら、互いのやり方を尊重しているのだそう。
また、アトリエ内にはカフェを併設しており、毎週水曜日のみオープンする。
「他の仕事が忙しくても、水曜日には気持ちをリセットしてカフェを営業。いわゆる普通のカフェではないので、お客さん来ないねと言いながら、作業をしたり作品の話をしたり、それが2人にとっていい時間になっています」。
偶然の出会いに支えられた、
温かくかけがえのない暮らし
岡田家には第二の実家とも言える場所がある。それは、以前住んでいた、東京練馬区にある青豆ハウスだ。8世帯で構成された青豆ハウスは大家さんを筆頭に、住人同士の仲がよく家族のような関係。そんな青豆ハウスにはたった一つだけ、“気負わない”というルールがあった。
「2018年、子どもたちがまだ2歳の時に大病を患い、大袈裟じゃなく生死を問われました。その時に、青豆ハウスの住人たちが総出で病院を調べてくれたり、何かあったらいつでもノックしていいよ、という札を全世帯で付けてくれたんです。病は気から、じゃないですけど本当に心が救われました。そうしてなんとか持ち直して普通の生活ができるまでになった時に、コロナ禍に。一度群馬の実家に引き上げ様子を見ていたのですが、たまたまこの辺を歩いていたら今の家を見つけ、家族で大好きな場所を離れるという一大決心をしました」と、久仁江さん。
岡田夫妻の記念日である“1000日”という節目には、大切な人を招いて感謝を伝えるパーティーを開催しているそう。準備が間に合わない時には、朝早く来た人に手伝ってもらうという甘え上手な2人。青豆ハウスから続く“気負わない”という精神が、自然と人との関係に心を通わせ、絆を深めているのかもしれない。
多くの人の感性に呼びかけ、
何かがはじまる場所へ
憲一さんも久仁江さんもプライベートと仕事の区切りがなく、暮らしの延長上に仕事があるという。それはアトリエの空間づくりにも共通しており、境界線がなく、好奇心が湧く装置が並び、足を踏み入れると誰もがワクワクする。丸テーブルには絵を描く道具や、アイデアがひらめく本などが置いてあり、ここに集まると自然と手が動く。
「今は1ヶ月に1回ワークショップを行っていますが、将来的には本格的に子どもたちが集まって、ここに来るだけでいろいろなものを作れる場所にしたいですね。美術館でも博物館でも科学館でもない、新しい体験型の場。大きくなってから、あそこはなんだったんだろう?と印象に残ったら嬉しいです」。
岡田家にとっての“最高の普通な日々”とは、生きること、すなわち表現し、創造すること。
何気ない日々の中で感じたことを、LENSが提案する体験を通じて、多くの人々の感情をも掻き立て豊かにしている。
KIDS ①
KIDS ②
毎日着ていたくなるニットを
秋冬の相棒に
肌触りのいいカシミヤ混のデッサンのニットは、着心地のよさはもちろん幅広いスタイルに似合うシンプルで洗練されたデザインが魅力。久仁江さんが着用しているのは、スキッパータイプのニットだ。
「服を纏うと気分まで変わると思うのですが、これは肩の力が抜けるようなリラックスして着られるところが気に入っています。シンプルなデザインでありつつ、ボーダー柄やゆったりボリューム感のある袖がアクセントにもなるんです。これを着てゆっくり夕陽を眺めたいですね」。