整理収納アドバイザー・田中千歳さんの きれいを保つ"ながら"お掃除術
5月3日は「お掃除の日」。いつものお掃除をちょっと見直してみませんか?整理収納アドバイザーの田中千歳さんが実践する、毎日ちょこちょこできる“ながら”お掃除をご紹介します。
小さな積み重ねがいちばんの近道 苦手はお掃除こそ、毎日の習慣に!
田中さん宅がいつもきれいを保てている秘訣は、「お掃除を毎日の習慣にすること」。
お掃除が得意な方には当たり前でも、苦手な方には、“絶対に無理!”と感じてしまうかもしれません。田中さんが実践している“ながら”お掃除なら、時間をかけずについでにささっとできることばかり。コツコツ小さな積み重ねが、きれいを保つ一番の近道だといいます。
「毎日全部をきれいにしなくてもいいんです。できるところを、できるだけでOK。毎日ちょこちょこどこかをお掃除していると、ふときれいが保てていることに気づきます。きれいになると気持ちもいいし、楽しくなって。自然とお掃除道具に手が伸びるようになるんです」
平日はフルタイムで働き、2児の子育てもしている田中さん。休日に頑張るところ、平日に手を抜くところ、メリハリも大切なのだそう。
きれいな床は、我が家の基本 平日はルンバにお任せ。休日は水拭きでスッキリ
床をきれいに保つことが、田中家の基本。「床は家の土台でもあるので、きれいに保つのが大切だと聞いて。水拭きするようになってから、部屋全体がきれいに見えるし、不思議と気分も良くなります」
とはいえ、毎日水拭きをするのは難しいので、平日はルンバにお任せ。朝出勤前にルンバのスイッチをオン。いつでもすぐに使えるよう、常に充電満タンの状態でソファ下にスタンバイしています。
ルンバが苦手な段差がある場所などは、ささっと掃除機をかけて。掃除が嫌にならないよう、取り出しやすいコードレス掃除機を選ぶことも、田中さんのこだわりです。
「床にゴミをみつけたらすぐに拾うことを心がけています。あとでやろうと思うと億劫になってしまうので」そんなお母さんを見ている娘の南ちゃん。ごみをみつけたら、自然と手を伸ばしてお手伝いしてくれます。
休日は、ちょっと頑張って雑巾で水拭きを。
「バケツに溜めた水に、ユーカリやティートゥリーなどの精油を数滴垂らしています。お掃除中も爽やかな香りに癒されるし、抗菌効果もあるとか。梅雨どきから夏にかけて、ジメジメする時期もスッキリするのでおすすめです。また、子どもたちが汗をかいたまま素足で歩くことも多いので、これからの時期は念入りに掃除したいところ」徹底的にきれいにしたい!という時は、スチームクリーナーを使うこともあるそう。
ゴミ箱、排水溝…ネガティブに感じるところほど “ついでに”磨いていつもピカピカに
「ゴミ箱や排水溝など、ネガティブに感じるところほど、きれいに保っておくことが大切だと、編集者でライターの一田憲子さんの著書で読んだんです」
以来、週2回の燃えるゴミの日は、ゴミ袋を替えるついでに、ゴミ箱も掃除している田中さん。お掃除用の除菌スプレーとキッチンペーパーを使って、ゴミ箱の中やふたの裏まできれいに拭き上げます。
「これを実践するようになって、嫌なニオイも防げるし、“ゴミ箱が汚いもの”というネガティブな感覚がなくなりました。以前はすぐふたを閉めて見て見ぬふりをしていましたが、今はきれいに保とうという気持ちにもなれるんですよね」
排水溝も同じく、洗い物のついでに毎日掃除。以前は専用のネットを装着していたそうですが、今は使うのをやめたのだそう。「ゴミを増やすのは地球にも優しくないなと思って、使っていません。排水溝は毎日掃除しています。我が家は、専用のスポンジを使わず、お掃除用のスプレーを吹きかけてキッチンペーパーで拭き取るだけ。たまにメラミンスポンジで磨くとよりきれいになります」
排水溝のお掃除を毎日なんてできない…と思うかもしれませんが、「ゴミ箱と同じで、排水溝は“汚い、触りたくない”というイメージですよね。だからこそ毎日して欲しい。毎日するからこそ、いつもきれいなので、触るのも嫌になりません」
シンクまわりの水気はしっかり拭って 水垢や汚れの付着防止に
食器を洗ったらそのままにせず、水気をしっかり拭うのが大切なのだそう。「毎晩シンクに食器を残さず必ず洗って片付けています。その際シンクの水気は拭っておくと、水垢や汚れが付着するのを防いでくれます。そうすると、シンクも長持ちするそうですよ。梅雨時などはとくに水気は大敵。できるだけ乾いた状態を保ちたいですね。ふきんやキッチンペーパーで拭きあげても良いですが、ヘラのようなスキージーを使うとゴミや洗い物が増えないので◎」
歯磨きやお風呂のついでに、 “ながら”掃除を習慣化
朝晩、歯磨きをしながら、洗面台や蛇口など気になるところをゴシゴシ。洗面台に常備しているメラミンスポンジで磨きます。「気になると、すぐ磨くのが癖になっていて(笑)。手の届くところにメラミンスポンジを置いているので、ささっと磨きます」
「お風呂場には、小さいブラシを置いています。ピンセット付きのものもあって、髪の毛などのごみをキャッチするのも便利。
排水溝だけでなく、床や壁も汚れが気になったら、ブラシでささっと磨いておきます。お風呂場は湿気も多く汚れも溜まりやすいので、“ながら”掃除が意外と大事!これを始めて、休日のしっかりお掃除や年末の大掃除も楽になりました」
使うたびに床もチェック 気になった時にさっと拭きます
床掃除には力を入れたい田中さん。トイレの床も使うたび、こまめにチェックしています。ここでも、キッチンなどで使うものと同じお掃除用のスプレーとトイレットペーパーで、簡単に拭くだけ。「専用のお掃除道具や洗剤はあまり使わないんです。わざわざそれを取り出して掃除するというのが面倒で(笑)。すぐそこにあるものでできるからこそ、習慣にできています」
埃が目立つところだけこまめに掃除。 パッと見で“きれいな印象”に
いつもすべてをきれいにしておくのは、なかなか難しい。「ここがきれいだと『あ、ちゃんと掃除しているな』と思われるポイントがあるんです。リビングでは、とくに埃が目立ちやすいツヤのある黒い家電。我が家ではテレビやスピーカーがそうなのですが、埃が見えると残念な印象に。逆にここがきれいだと、ほかが少々散らかっていても、きれいな印象に見えるはず!(笑)」
忙しい毎日でも、ちょっとした時間を使って“ながら”お掃除を楽しんでいる田中さん。昔はギリギリまで溜めて、重い腰をあげてやっと掃除をしていたそうですが、ちょこちょことするようにすると、部屋だけでなくマインドにも変化があったそう。「きれいを保ちたいと思うと、汚したくないから自然と何かのついでに掃除をする習慣がついて。同時に気持ちにも余裕が生まれたと思います」
ぜひ参考にしてみてください。
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田中千歳さん
整理収納アドバイザー。整理収納アドバイザー1級、住宅収納スペシャリスト、ルームスタイリスト・プロの資格をいかしながら、一般家庭で収納やインテリアづくりのお手伝いするほか、ショップのディスプレイなどにも携わる。2児の母。インスタグラムでは、日々の暮らしや収納・掃除のアイディアも発信している。Instagram:@chitosetsuru
22.05.03 UPDATE