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【インタビュー】オリジナルランチシリーズができるまで。/デザイナー・菊地恵子さん

年2回発売しているオリジナルのランチシリーズ。2025SSシーズンでイラストとデザインを担当していただいたデザイナー菊地恵子さんにお話を伺いました。

25.03.12 UPDATEphotos by Norio Kidera text by Hitomi Takano

ワンズテラスでは年2回春と秋に、オリジナルランチシリーズを発売しています。今期もワンズテラスらしく華やかでワクワクするようなアイテムが勢揃い。すでに店頭で目にした、というお客さまもいらっしゃるのではないでしょうか。

トレンドだけでなく、ワンズテラスのお客さまならどんな型が使いやすいだろう、どんな柄や色ならみなさんに喜んでもらえるだろう……。MDやバイヤー、外部デザイナーが頭を悩ませながら約半年間かけて形にしているランチシリーズ。今回はそんな商品開発の裏側をお届けしようと、デザインを担当していただいたデザイナー・菊地恵子さんにお話を伺いました。

商品を手にして嬉しそうな表情の菊地さん

毎日使うものだから。ワクワクするランチアイテムを

―仕上がりを見るのは今日が初めてだとか。手にしてみていかがですか?

菊地恵子さん

やっぱり、こうして形になったものを手にする瞬間が一番嬉しいです。色もきれいに出ていてほっとしました。かわいく仕上がっていると思います。

―オリジナルアイテムを作る時は、まずどんなところから始めますか?

菊地恵子さん

メーカーが用意した型をベースに、オリジナルの色やイラストをデザインしています。最初のキックオフミーティングでは、ワンズテラスさんが社内で検討したコンセプトやデザインの方向性を伺います。いろいろな要望を聞いて意見をすり合わせたら、一旦持ち帰ってポイントになるキーワードを書き出していきます。

ワンズテラスのお客さまにはどんなデザインが響くだろうか、喜んでもらえるだろうかと、お客さまの視点で考えながら、デザインの軸になりそうな大枠を考えてキービジュアルを作っています。

カラーサンプルに合わせて作ったキービジュアル。くすみピンクはワンズテラスで人気のカラー

―ワンズテラスらしいデザインはどんなことを意識していますか?

菊地恵子さん

華やかさと可愛らしさを持ちつつ、少し大人っぽい雰囲気を意識しています。 ランチアイテムは毎日使うものだからこそ、爽やかで明るく、ワクワクするようなデザインを大切にしています。

柔らかなタッチが魅力。手描きの草花や動物をモチーフに

―今回はどんなところがポイントになっていますか?

菊地恵子さん

今期は「草花と動物のモチーフ」というリクエストをいただき、春らしい色合いや花を取り入れています。ただ、花が多すぎるとガーリーになりすぎてしまうため、リーフをメインにして甘さのバランスを工夫しました。また花のモチーフも、特定の種類が分かりにくい抽象的なデザインに仕上げています。

モチーフになったイラストの原画。

―イラストも菊地さんが描いているのですか?

菊地恵子さん

はい。筆のタッチを活かした手描きのモチーフは柔らかな雰囲気で、ワンズテラスらしさを表現できるかなと考えました。紙にアクリル絵の具でモチーフごとに描いたら、それをスキャンしてデジタルデータにし、整えています。

―手描きだからこその温かみがありますね。モチーフは何を参考に?

菊地恵子さん

植物はネットや本、雑誌などからイメージソースを集めて、アレンジを加えながら描いています。動物は「親子」というリクエストもいただいたので、春から連想して冬眠から目覚めたイメージでクマの親子にしました。さらにモチーフとして人気のハリネズミも一緒に。

動物は、かわいらしさもありつつキャラクターっぽくならないように意識しました。子どもっぽくなりすぎず、どんな層の方にも馴染んで使いやすい雰囲気やデザインを目指しています。

菊地さんが描いた愛らしいモチーフを散りばめたランチボックス。フルカラーと2色刷りでは印象も変わる。

―モチーフができたらどうデザインしていくのですか?

菊地恵子さん

キービジュアルを元にデザインを落とし込んでいきます。ランチボックスやボトル、カトラリーケースなどたくさんのアイテムがあるので、それぞれのプロダクトごとにパソコン上で配置していきます。

アイテムや素材によって、フルカラーでプリントできるものもあれば、シルクスクリーンで2色のみのものも。今回2色刷りの場合は、モチーフを線画で描き直してからデータ上で色をつけました。線画にすることでまた雰囲気が変わり、より大人っぽい印象に仕上がりました。

ボトルには3Dプリントを採用。イラストが浮き上がっているように立体的に。
付属のゴムバンドのカラーもデザインに合わせて決めていく。

お子さまから大人まで、幅広い人に喜んでもらいたい

―今期のアイテムで菊地さんのお気に入りを教えてください。

菊地恵子さん

クリアボトルがすごくかわいいなと思いました。透け感が春っぽいですよね。全面プリントにしたことで華やかになりました。

あとカトラリーケースも。ゴールドのロゴは高級感があるし、乳白色のふたも中が丸見えにならなくて良いですね。

クリアボトルは、中身を入れるとイラストが際立ってより華やかな印象に。
箸とスプーンを組み合わせたカトラリーセット。
菊地さんお気に入りのランチアイテムをコーディネート。

―菊地さんならどんなシーンで使いたいですか?

菊地恵子さん

普段は自宅で仕事をしているためお弁当をする機会は少ないですが、娘が以前より食べる量も増えてきたので、暖かくなったらピクニックをしようと話しています。 ランチボックスに詰めて外で気軽に食べるのも、気分が変わって良いですよね。

―菊地さんがデザインする商品を見て何か感想を話してくれますか?

菊地恵子さん

かわいいね〜とは言ってくれます。けどいま娘は絶賛プリンセスに夢中の時なので、こちらより興味はプリンセスにあるのですが(笑)

―最後に、今回のランチシリーズはどんな人に使ってもらいたいですか?

菊地恵子さん

お子さまやOLさん、お母さんと幅広くいろいろな人の手に取ってもらえたら嬉しいです。ランチボックスは、食べる側はもちろんですが、お弁当を作る側の人も楽しい気持ちにさせてくれるものだと思うんです。

毎日使うものだからこそ、目にするだけで気分が上がるような、ワクワクするような、そんな存在になれると良いなと思っています。これからもそんなアイテムに携わっていけたらと思っています。

菊地恵子さん

デザイナー。短大卒業後、アパレル向けテキスタイルメーカーにて、テキスタイルの図案デザインを担当。 その後雑貨ブランドへ転職し、インハウスデザイナーとしてライフスタイル雑貨のデザインに携わる。現在は独立し、フリーランスのデザイナーとして活動中。キッチンアイテムやルームフレグランス、ヘルス&ビューティー関連のパッケージなど幅広いデザインに携わっている。

25.03.12 UPDATE

【インタビュー】オリジナルランチシリーズができるまで。/デザイナー・菊地恵子さん

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