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1978年の創業以来、ヒロフでは商品の品質と同じくらい、
「メンテナンス」を大切にしています。
メンテナンスは「修理」と「お手入れ」とから成り立ちます。
どちらも、せっかく出会ったレザーアイテムを
愛着を持って永くお使いいただくために、
欠かせないものだと考えています。
お客様からお預かりした修理品は、専門の職人の手に渡ります。
ただ、ヒロフの修理は職人であれば誰でもできる、
というものではありません。
今回は、情熱をもって仕事に取り組み、
ヒロフの商品を熟知している修理職人の中のお一人、
加藤さんにお話をお伺いしました。
綺麗に整頓された、加藤さんの作業場
職人気質で、チャーミングな一面もお持ちの加藤さん。
今やヒロフの商品を支える職人の一人と言っても
過言ではありません。そんな加藤さんのプロフィール、
そしてヒロフとの出会いを教えてください。
ヒロフとの出会いは、働いていたオーダーメイドのバッグ屋さんで
上司に紹介されたのがきっかけでした。
もともとヒロフの修理を担当していたその方が
帰郷するタイミングで、私が引き継ぐことになりました。
当時から修理を重要視していたヒロフの創業者は、
依頼する職人選びにもこだわりを持っていました。
私も何度もトライアルを重ね、「これならおまかせできるわ」の
一言からヒロフとのお付き合いが始まったのが1995年。
それから約30年もの間、ヒロフの修理を担当し続けています。
ハンドルに使用する芯材を工具で叩いているところ
ヒロフの修理の特徴のひとつに、「できる限り元の状態に戻す」というものがあります。加藤さんに修理していただいたアイテムは、元の状態よりも美しく、丈夫だと感じることもあるほど。
実際に修理をする際に、大切にしていることはなんですか?
私は、お預かりした修理品を“買った時と同じような状態+α”で
お戻しすることを心掛けています。
「元に戻す」というのは一見単純そうですが、商品を熟知した上で初めてできること。ヒロフの商品はシンプルなようで、細かい箇所にまで工夫が凝らされています。
例えば芯材など目に見えない部分でも、使用する方の癖を加味した上で、この先の10年も使い続けられるような修理を目指しています。
想いと時間をかけている分、完成した時の達成感はひとしお。
ヒロフからは常に“もっと良いもの”を求められるので、
「やってやる!」という気持ちが沸き上がります。
イタリアから取り寄せた糸の数々
ヒロフでは質の高いアイテムを、適正な価格で販売していることが他にはない強みだと考えています。
長い間修理を担当されている加藤さんだからこそ感じる、
ヒロフの魅力はどんなところでしょうか?
「ヒロフ=機能美」だと思います。
装飾があまりないヒロフの商品は、デザインそのものが
機能的な役割を担っているものも多いですよね。
あとは修理を請け負う立場から見て、ヒロフの革はとても扱いにくい(笑)。だからこそ、贅沢なものだと思います。
元に戻せない程使い込まれたものは、修理ではどうにもなりません。
もう少し前に修理に出してくれたら直せたかもしれないのに・・・
そう思うことも多々あります。
“上質なものだからこそ、上質なケアが必要。
良いものを選ぶなら、
それに見合ったお手入れを。”
修理で元通りにできるケースが増えるように。
大切なものをこの先もずっと使い続けていただくために。
この考え方がもっと広まっていくといいですよね。
製作したパターンを作業場のデスクに敷いて
最後に、加藤さんにとって「修理」を一言で表すと?
「面倒くさい!!」この一言です(笑)。
難しければ難しいほど、達成感があります。
30年間、当たり前にクオリティにこだわり続けることは、
人から見たら苦労かもしれません。
自分で自分の首を絞めている・・・そう感じることもありますが、
それは苦労でもあると同時にやりがいにも繋がります。
お客様が売場に修理品を持ってきてくれるというのは、
それだけですごい労力がかかること。
お金をいただくからには、面倒くさいことを面倒くさがらずに、
自分自身が納得いくまでやりたいと思っています。
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