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23.09.26

Soup Stock Tokyoの「フリーズドライシリーズ」開発秘話

スープ専門店が手がける
具材感や食感を再現したスープとOkayu

スープストックトーキョーの理想の味を再現したスープ

調理した食品を凍らせ、真空凍結乾燥機に入れて、真空に近い状態で乾燥させるフリーズドライ。その製法を用い2022年の6月に発売されたSoup Stock Tokyoのスープ。「フリーズドライ商品がSoup Stock Tokyoにあることを、まだ知らないお客様も多いと思う」と、開発者の金子さんは語る。
「わたしたちは、0歳から100歳のあらゆるお客さまへのスープの提供を目指しています。創業当初から掲げる言葉は 〝Soup for all!〟。私達の冷凍やレトルトも浸透しつつあると思いますが、それは冷凍庫や電子レンジなど加熱が可能な環境がある前提。そうでなくとも、いつでもどこでも食べていただきたいという思いから、フリーズドライの商品を開発しました」

もっと気軽に、素材本来の味や特徴を活かしたスープを楽しんでもらいたい。しかし、従来のレトルトだと、表現しきれない部分があった。
「レトルトは加熱殺菌する必要があるため、煮込みすぎることで具材感や素材の持つ旨味が損なわれてしまうことがあります。その点、フリーズドライなら、製造の行程上、真空状態にし、あまり熱を加えず水分を乾燥させるので、求めている味をしっかり表現することができるんです」

フリーズドライのスープは4種類展開しているが、一番商品化が難しかったのが「とうもろこしとさつま芋のポタージュ」だという。フリーズドライはブロックをお湯で溶かして液状に戻すが、でんぷん質が多いとダマになりやすく、均等に溶けにくい。「配合の調整を何度も繰り返し、ブロックを2つにするという方法で、美味しさを表現することができました」

パッケージイラストはイラストレーターの坂内拓さんが手がけている。実際にスープを試食し、味からインスパイアされた風景画に、印象的なポエムが添えられている。そこには、スープストックトーキョーの〝スープを用意する間にひと息ついてほしい〟という思いが込められている。

「4種4様なので、どれを食べても楽しんでいただけると思います。わたしは最初ミネストローネが好きでよく食べていましたが、商品を勉強していくにつれて、開発が難しかった『とうもろこしとさつま芋のポタージュ』に情がわいて、かわいく思えています(笑)」という金子さんが、それぞれのおすすめポイントやこだわりを教えてくれた。

オニオンスープ

オニオン の食感を残しながら、隠し味の醤油 でコクのある味わい。

「シンプルなイメージがあると思うし、市販でもたくさんの商品が展開されていますよね。これは、炒めたオニオンの具材感がしっかりしていて、ひと口食べればこだわりあるのが感じられると思います。特筆すべきは口に入れた瞬間のバターの香ばしさ。新体験だと思います」

とうもろこしとさつま芋のポタージュ

さつま芋の風味が口いっぱいに広がり、とうもろこしの香りがふんわりと残るシンプルな味わい。

「名前の通り、とうもろこしとさつま芋の味をしっかり感じられます。外食や物販でも人気のメニュー。やさしい甘さもありつつ、濃厚な味わい。朝食にパンと合わせるのもおすすめです。さつま芋のざらりとした繊維の舌触りも感じられますよ」

5種の野菜のミネストローネ

野菜やしいたけのだしがベースの、 生姜が効いたベジタリアンのスープ。

「これぞ食べるスープ、ごろごろとした具材感が特徴です。スープストックトーキョーらしさ溢れる一品。大きめにカットされたオクラやごぼうに、少し生姜の風味も利いています。植物性の材料のみを使用しているので、ベジタリアンの方にも。しっかり野菜の栄養を摂ることができますよ」

魚介のチャウダー

鯛とあさりのだしをベースにした チャウダー。

「鯛とアサリをベースに、具材感もあり、ズッキーニやセロリの歯応えも楽しい、次のひと口が楽しみになるスープ。クリーム感やミルク感は、他の商品とは一線を画す個性があると思います。洋風の中に少し和も感じられて、プチ贅沢したいときにおすすめです」

食材の組み合わせが楽しい、新感覚のOkayu

先述のスープ4種に、Okayu(おかゆ)4種が加わったのが2023年の4月。
「意外に思われるかもしれませんが、外食でもおかゆは展開しているんです。実はスープと同じくらい人気の商品。毎年1月7日の七草粥の日には、七草粥を販売して、お客さまの一年の健康を願うというのが、会社を挙げての恒例イベントなんです」

おかゆは米などの穀物に水分を多めに加えて加熱した料理なので、冷凍やレトルトだとふやけすぎてしまうことがある。ところがフリーズドライなら、先述の製法の特徴ゆえ、おかゆの粒感をしっかり表現することができる。

また、消化の良さから体調不良時に食べるもの、というイメージがあるなかで、どのように日常の食事シーンに入り込めるのかも、大きな課題のひとつだった。
「スープやカレーを食べるときと同じように、ちゃんと満足感のあるものにしたい。一食として楽しんでもらいたい。朝食時や小腹が空いたときの選択肢のひとつになれたら。その願いを込めて、あえてアルファベットで『Okayu』と表記することにしました」
そしてスープ同様に、Okayuそれぞれのおすすめポイントやこだわりを教えてもらった。

Okayu 2種のきのことチーズ

野菜と鶏肉の旨味と、きのことタイ ムの香りが楽しめるお粥。

「4種類のなかで一番リゾットに近いイメージ。チーズのコクがしっかりしていて、バターもふんわり香ります。柚子の皮がアクセントになり、舌で弾けてさわやかな後味。ハーブのタイムも入っているので、他にはないおかゆです。個人的には一番好きですね」

Okayu 鶏肉とセミドライトマト

鶏の旨味に魚介や野菜のおいしさを 重ね、深みを出しました。

「鶏の旨味や魚介など和風のなかに漂う胡麻油の風味が特徴的。水菜のシャキッと感も感じられます。4種類のなかで一番味がやさしく、食べやすいと思います。食感を残しながら、ほのかな酸味を利かせるため、トマトはセミドライを使用しています」

Okayu 鯛と3種の海藻

鯛や昆布の旨味をベースに、生姜や みりん、すりごまで深みを出した和 風のお粥。

「ひじきは調理すると料理全体に移り黒くなりがちだけれど、これはフリーズドライなのでおかゆのあたたかな色味のまま、目でも楽しめる一品です。鯛出汁に3種の海藻の風味で、食べた瞬間に海を感じると思います。みなさんが想像されるいわゆるおかゆっぽいおかゆなんでずが、概念を覆されますよ」

Okayu 梅とトマト

野菜の旨味に、梅とトマトで酸味づ けをした洋風のお粥。

「インドのラッサムというスープからインスパイアされた一品。本場のインドでは酸味を引き出すためにタマリンドを使用するところ、Okayuには代わりに梅を加えています。トマトの酸味の奥に梅のほのかな酸味を、スパイスの香りも感じ、ひと口食べて驚き、どんどんクセになる味です」

米以外にも、押し麦をはじめとした、それぞれのOkayuに合った穀物を加えているため、プチッと食感を楽しめる。どれもお湯で溶かして2分くらい置くと、ちょうどいい塩梅に。「逆に短くして固めに、長く置いてやわらかかく、好きなタイミングで食べてもらえたらうれしい」と金子さんは言う。

「たとえばわたしなら、毎日仕事に追われて忙しない日々を送るなかで、手軽に美味しく、しっかり栄養も摂れて満足感のあるスープやOkayuは、デスクに常備しておきたい。60代くらいの親世代の方々への贈り物としても最適ですし、場所を選ばないのでキャンプや登山などのアウトドアにも。シーン問わず、普段の食事にとりいれてほしいですね」

さまざまなシーンで活躍するSoup Stock Tokyoのフリーズドライ。多くの人のライフスタイルに寄り添って、世の中の体温をあげる商品に育つことを願う。

Photo:太田太朗
Interview / text:松本昇子

全国の212K店舗にて「毎日スープ」を展開中!

今回紹介した常温で長期保存ができ、お湯をそそぐだけで簡単にお召し上がりいただけるSoup Stock Tokyoのフリーズドライは現在212K全店で展開している「毎日スープ」にてお買い求めいただけます。是非お近くの212キッチンストアにてお待ちしております!
212キッチンストア 店舗一覧

金子 弥生(かねこ やよい)さん

2019年株式会社スープストックトーキョー入社。店舗での勤務経験後、卸事業部で法人営業を行う。時間のない朝や仕事をやりきった日の夜はOkayuで簡単に済ませたり、フリーズドライスープを食事の1品にしたり。
一番のおすすめはOkayuの「2種のきのことチーズ」。
https://www.soup-stock-tokyo.com/

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