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23.05.26

みんなの台所

更なる進化を遂げた
トマト麻婆豆腐

『みんなの台所』企画の記念すべき第一回にご登場いただいたカメラマンの伊藤徹也さん。香辛料をたっぷりと使用しながら、調味料をきっちりと計り、改良に改良を重ねた麻婆豆腐は、取材時に試食したスタッフからも読者からも大好評を博した。そんな徹也さんが満を持して再び登場。〝徹也のセクシー麻婆豆腐〟が〝トマト麻婆豆腐〟として、さらなる進化を遂げていた。

料理家の冷水希三子さんが、麻婆豆腐にトマトを入れた料理をインスタグラムに投稿しているのを拝見。「これは合うだろうな」と思い、自分でも試してみたのがきっかけだという徹也さん。だが初めは、なかなか自分の理想の味にはならなかったという。「どうしたら自分好みの味に近づけられるだろうか、と考えました。試行錯誤するうちに、トマトは加熱すると甘みが増すし、青臭さも消えるので、セミドライトマトにして入れてみたらどうだろう、というアイデアが浮かんだんです。

試してみたら、けっこう良くて。ドライにするのは、オーブンに入れて加熱するだけなので、意外と簡単なんですよ。ミニトマトの方が旨味は凝縮しているんですが、それだけだとトマトが立ちすぎてしまったので、大きなトマトのセミドライも加えたら、かなり良い塩梅に落ち着きました」

オーブンでじっくり乾燥させた、3種類のオリジナルセミドライトマト。

こだわりは他にもある。徹也さんは麻婆豆腐にラー油を使わない。「その代わり、豆板醤を油で煮出した紅油をたっぷりと使用します。そのなかにトマトを漬け込んで、香りを載せているんですが、これをかけると、格段に旨くなるんです」。そして忘れてはならないのが、オリジナルの肉味噌だ。「『dancyu』に載っていた青山の中華料理店『慈華(itsuka)』のレシピを見て麻婆豆腐を作ってみたら、あまりにも美味しくて。キーになるのは肉味噌なんだと気付きました。豚の粗挽きとひき肉を半々くらい用意して、一気に800gくらい使用します。

手間を省くために一度でなるべく多く作るために、愛用している鍋の容量マックス入れちゃいますね」。豆板醤に紹興酒、豆豉の紹興酒漬けに太白胡麻油。紅油、いただきものの猪のラード、甜麺醤、数種類をブレンドした唐辛子の粉末にニンニク…。これらが一体となって煮詰まって、味わい深い肉味噌が出来上がる。この刺激は、一度食べたらクセになる。「トマト麻婆豆腐との相性はもちろん抜群。 そこに生卵を載せてもまろやかさが増して最高です。

夏場には肉味噌を麺つゆで溶いて、冷やし素麺にもばっちり。豆乳鍋に入れても美味しいですし、トマト麻婆と納豆の組み合わせも、意外な美味しさに驚くはずです」

かなり万能な肉味噌。これからの季節に、たくさん作ってストックしておけば、食卓の強い味方になってくれるはずだ。

特製肉味噌(約10人分)

◎作り方

1.ニンニク(気分でいつもより多めに)をラードでゆっくり炒める
2.紅油を投入

3.肉800g(豚の粗挽きとひき肉)を投入してゆっくり炒める
4.豆豉大さじ8、唐辛子パウダー大さじ5、豆板醤50gを入れる
5.火が通ったら、紹興酒大さじ8を回し入れる

6.煮詰めて少し水分を飛ばす
7.甜麺醤を大さじ3くらい加える。火を止めて和えるくらいのイメージで

トマト麻婆豆腐

◎作り方

1.鍋に鶏ガラスープを入れる
2.肉味噌80gくらい、唐辛子の粉末、セミドライトマト(大4枚、ミニ8個)、豆腐を入れる
3.火にかけ弱火でふつふつと煮込む

4.ニンニク醬油を大さじ2入れる
5.紅油大さじ1を入れる
片栗粉(片栗粉:水=1:2(半分は紹興酒)で溶いたもの。旨味が加わる)を2回に分けて入れる
6.紅油大さじ1を入れる
7.少し強火にして水と油を分離させる
8.紅油を入れる

9.盛りつける。紫蘇の葉(自家製)を叩いて香りを出し、山椒の粉を2種ふりかける
10.仕上げにトマト油を回しかける
※熱々でなくても、少し冷めると旨味が凝縮してなお美味しい

かなり万能な肉味噌。たくさん作ってストックしておけば、トマト麻婆豆腐はもちろん、メインのおかずのアレンジやお酒のアテとしてなど、これからの時季の食卓の強い味方になってくれるはずだ。

Photo:太田太朗
Interview / text:松本昇子

今回使った道具

BALLARINI (バッラリーニ) ヴィピテーノ ウォック 28cm

4層構造のコーティングで、金属ヘラも使用できる抜群の耐久性。ツルっとした、黒曜石のような艶感 があり、こびりつきにくく、汚れも落ちやすいので、見た目の美しさを長くキープ。¥7,590 (税込)

「片栗粉を入れるときに、テフロン加工のフライパンだとこびりつかず、スムースに振ることができて、均等に混ぜることができます。中華鍋だと、ここまでスムースにはいきません。深さも、大きさも、今回の料理にちょうどよかったですね。オリジナルのヘラとの相性もばっちり。皿に盛るときも、料理をきれいに移動させることができるので、ノンストレスで使用することができました」伊藤さん

伊藤 徹也さん(いとう てつやさん)

フォトグラファー。中華ユニット〈MIYOSHIYA飯店〉。東京都出身。雑誌媒体を中心に活動し、ポートレートから建築までジャンルを問わずに撮影している。「伊藤家の晩酌」好評連載中。
https://hanako.tokyo/column/itohke

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