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大人デニムで歩く神宮前〜中村里美×菊池武夫スペシャル対談〜

それぞれ明治通り沿いの神宮前にフラッグシップショップを構えるJohnbullとTAKEO KIKUCHI。両者を代表してJohnbullのものづくりに携わるパターンクリエイター中村里美氏とTAKEO KIKUCHIクリエイティブディレクター菊池武夫が「神宮前×大人×ファッション」をキーワードに語り合いました。「このエリアを盛り上げたい」という二人の思いから、両氏が注目する神宮前スポットも一緒にご紹介します。

第4回:洋服は、各々の個性が表現できるもの

2つのブランド個性が光るタブロイド

今回のコラボレーションの店舗などで配布されるタブロイド(冊子)を拝見したのですが、スタイリングがとてもかっこいいですね。

菊池:

実は左右の見開きで二つに分けていて、片方が「Johnbull」さんのスタイリング、もう片方が僕のスタイリングになっているんです。でも、基本的に服は同じものなんですよ。洋服に対する独自の考えや感性が違うので、(見せ方を)分けました。全く同じものをどう見ているか、というのを写真で分かりやすくしているんです。

中村:

そうなんです。パターンも「40ct&525」と「Johnbull」で、ほぼ同じものを使っているんです。上着だけはシングルとダブルで違うんですけど、あとは基本的には全く同じ。それを、服としての表現を変えただけなんです。あとはタブロイドでは、背景色を赤と青に分けました。同じなんだけど、何かがちょっと違うんですよね。

菊池:

個性が違うから。

中村:

でも、この撮影で(印象が)変わったんです。それまでの制作過程では、そんなに違いは出なかったですよね?

菊池:

そう。そんなに変わらない。並べたら大きな違いはない。

中村:

同じ型紙で、生地も同じ素材で、それぞれのブランドで違う色を選んでいるだけなので。

これまでにないコラボレーション表現

コラボレーションとして、とても面白い企画ですね。写真を拝見するとかなり違って見えるのですが、これはスタイリングで変化がつくのでしょうか?

菊池:

スタイリングと洋服に対する思いが違うからでしょうね。それは、はっきりと分けています。

中村:

たぶん、これ(タブロイド)がないと分かりづらいですね。

菊池:

ビジュアルがないと、口で説明しても分からないですからね。

中村:

これ同じ服じゃない?同じ服だよ。あ、そうなんだ!って感じの。

菊池:

そうそう。コラボレーションする時にそれぞれ個性と洋服に対する思いがあるから一緒のところもあるけど、基本的に中村さんは中村さん、僕は僕ですからね。最終的にあがった商品を着てもらう時のイメージも違いますから、分けてやろうと思いましたね。でも、コラボレーションでもこういう見せ方はあまりないね。

中村:

大抵ひとつの個性でまとめますからね。私は、最初はこういう形だとは思ってなかったんです。このタブロイドを作成するにあたって、先生から「中村さんは中村さんで自分の表現でしたほうがいいんじゃない?」と言っていただきました。それまでは一緒に同一の表現をするのかなと思っていたんですけど、タブロイドを見て、こういうことなんだと気付きました。

菊池:

コラボレーションって、一緒に制作して表現するまでがコラボレーションだと思うんですよ。店もそれぞれ持っているし、お客様の層もおそらく違うし。僕もこれまで作ってきたもののイメージというか、理想という訳ではないけど、こういう風にありたいというようなものを分かりやすく写真で表現してみました。

中村:

私はすごく楽しかったです。実は、私は菊池先生がどういう表現をなさるかは全く伺っていなくて、タブロイドの撮影場所で初めて見たんです。特に自分でパターン作っていて私にとってはどちらの商品も大好きですから、「あ!こういう風になるんだ!」と私が一番驚いたと思います(笑)。

緊張感から生まれる新しい発見

その場で初めてご覧になったということで、それはお互いにとても新鮮ですよね。撮影もすごくエキサイティングになったのではないですか?

菊池:

たぶんそう。緊張感ありましたね。

中村:

そうでしたね。途中でコーディネートを変えたりもしましたね。

現場で、ですか!?

中村:

はい。やっぱり何も考えないで二組を並べると、似てしまうというのが出ますから。私も変えなきゃと。先生も(私のスタイリングを)ご覧になっていて「じゃ、変える」と決められて。調整を、現地でかなりやりました。
もう必死です。ドキドキしましたね。私はデザイナーではないので、より一層そう感じました。今回の表現は自分でさせて頂いたのですが、普段は制作をする方なので必ずデザイナーさんと組んで一心同体となって動いて、同じ目で同じものを同じ感覚で見ているのがメインの仕事なんです。今回のように、前もって分かっていないことってないんですよ。(仕事に対して)理解していることの方が多いんです。知っていないといけない仕事なんです。
ましてや自分がパターン作成させてもらったものが、どういう風になるか分からないということって、ただの一度もなかったです。あってはならない事ですから、すごくびっくりしました。知らないとこういう風になるんだ、と初めて経験しました。とても新鮮で不思議でした。作成したものを客観的に見られた瞬間というか。普段は絶対ないです。

菊池:

中村さんとの仕事はこれの前にも一緒にしていましたから言いますと、今デザイナーじゃないとおっしゃったけど、中村さんはすごくデザイナーの気質なんですよ、本来は。「Johnbull」さんでやっている活動も、自分で作り上げたデニム感覚の街着を自分のコンセプトで作られているんですね。イメージをそこで作るということは、デザイナーの仕事ですから。本来、中村さんはデザイナーなんですよ。不思議な感覚なんですけど、今回はデザイナーの方と制作面で一緒にやらせてもらった感じでした。
洋服って、僕自身作っている工程は一番大事なんですけど、最終的に人の手に渡って人が着る訳ですよね。だから、常に着た時の状態がものすごく気になる。人によって解釈が違うし、個性も違うので、洋服というのはキャラクターがものすごく出るんですよ。そのキャラクターを出来るだけ分かるようにしたいと思っています。話して分かるものではないので、分けて考えたい。他のいろんなコラボレーションを見ているけど、今までだとほとんど一体化ですよね。

中村:

そうですよね。

菊池:

僕は、逆だと思っています。おのおの個性が違う人が集まっているんだから、その個性が分かるようにしていかなければいけない。コラボレーションしているという感覚より中村里美さんと菊池武夫、二つが“いる”ということを分かってほしい。その意識は着る人にも必要なのかなと思って、こういう風に二つに分けました。僕は、中村さんのところは昼間だと思っています。

中村:

イメージがお昼ね。

菊池:

僕は夜。そういう感覚で洋服を捉えている。

まさにそのイメージが、タブロイドですごく分かりやすく表現されていますね。

中村:

私もタブロイドを見て、びっくりしました。もちろん撮影現場にいたんですが、紙面になったものを見ると全然違う。撮影場所で感じるものは、全く違うので。自分たちの表現も含めて、こんなにも変わるんだと本当に驚きました。
そして、すごく嬉しかったです。見たことないものがそこにあるというのは、洋服を作る者として常にあって欲しいことなので、すごく嬉しい。

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04 UTRECHT (ユトレヒト)

アート・デザイン・ファッションなどの書籍を扱うブックショップ。デザインの変わったもの、少部数のものなど、作り手の顔がみえるような書籍を販売する。

東京都渋谷区神宮前5-36-6 ケーリーマンション2C

営業時間 12:00~20:00

定休日 月曜日(祝日の場合は翌日)

03-6427-4041

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04 渋谷キャスト

未来の渋谷をつくる、クリエイティブな体験に満ちた複合施設 「SHIBUYA CAST.」。様々な機能を併せ持つ施設として「クリエイティブな人々が遊び、働き、住む場所」を目指す。

東京都渋谷区渋谷 1-23-21

営業時間
PULP Deli&Cafe 8:00~20:00 ※土日祝は10:00~
PULP 417 ÉDIFICE 11:00~20:00
THE RIGOLETTO 11:30~26:00 ※日・祝は〜23:00
東急ストア フードステーション 7:00~23:00
Åre 8:00~22:00
※多目的スペース・広場はイベントにより異なりますので、各イベント詳細ページをご覧ください。

03-5778-9178

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菊池:あのラウンドしているベンチのある広場がいいよね。飲食店なども沢山あって、シェアオフィスもあるので、起業したての人たちにいい場になりますよね。やはり、最初はいろんなところにお金がかかりますからね。こういうスペースがあると、若い人たちもホッと出来るんじゃないかな。

中村:外国人観光客もたくさん見かける場所ですね。使い勝手が良いのだと思います。あと、私もシェアオフィスは便利だなと思っています。全てが揃っていてパソコン1個あれば済むので、何かを始めるのに最適ですよね。(賃貸入居者向けの)コモンスペースやコレクティブハウスも楽しそう。色々な年齢や文化の人たちが同じ空間に集まる仕掛けが、とても良いですよね。

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